日本歴史改方

後漢書

『後漢書』は、中国の歴史書であり、後漢王朝に関する記録をまとめたものである。南朝宋の范曄が主に編纂し、「本紀」「列伝」を担当した。「志」は西晋の司馬彪が編纂している。紀伝体で構成されており、本紀10巻、列伝80巻、志30巻の全120巻からなる。後漢王朝の歴史を記録するために編纂され、范曄が多くの先行資料を参考にして完成させたものである。

内容と特徴としては、本紀が皇帝の事績を記録した部分、列伝が各時代の重要人物や事件を記録、志が天文、地理、儀礼などの制度や文化を記録している。

『後漢書』には、日本(倭)についての記述も含まれている。特に「東夷伝」には重要な内容が記されている。西暦57年、倭の奴国が中国に朝貢し、光武帝から「漢委奴国王」と刻まれた金印を授与されたという記録がある。この金印は江戸時代に福岡県の志賀島で発見された。また、西暦107年、倭国の王が生口(奴隷)160人を献上し、朝貢関係が続いていたことが記されている。さらに、2世紀後半、倭国では統一的な支配者が存在せず、戦が頻発していたことも記されている。

『後漢書』は、後漢時代の政治、文化、社会を理解する上で重要な資料であり、日本に関する最古の中国正史の記述の一つとしても注目されているのである。范曄の編纂した『後漢書』は、後漢の栄光と衰退を詳細に描写しており、その文章は名文として評価されているのである。

この歴史書を通じて、我々は古代の東アジアにおける日本の位置づけや、中国との関係性を知ることができる。また、当時の日本の政治状況や社会の様子を窺い知ることができるのである。『後漢書』は、古代日本の姿を解明する上で欠かせない貴重な文献資料なのである。

公開日:2024.09.03