登呂遺跡
登呂遺跡は、静岡県静岡市駿河区に位置する弥生時代後期の農耕集落跡である。約1,900年前の大規模な水田跡と集落跡であり、1943年に発見された。戦後の発掘調査で注目を集め、1952年に国の特別史跡に指定されている。
主な遺構と遺物としては、当時の稲作技術を示す貴重な水田跡、集落の様子を伝える竪穴住居跡、食料の保管方法を示唆する高床倉庫跡がある。また、鍬、鋤、田下駄などの木製農具や弥生土器、土製品も出土している。
現在、登呂遺跡は考古学的価値だけでなく、教育や観光の場としても活用されている。静岡市立登呂博物館が併設され、出土品の展示や体験学習が行われており、遺跡公園として整備され、復元された竪穴住居や水田を見学できる。博物館1階、屋上テラス、遺跡は無料で見学可能である。
文化財としての価値も高く、登呂遺跡から出土した遺物775点が重要文化財に指定されている。これらは弥生時代の生活や農耕文化を知る上で極めて重要な資料とされている。
登呂遺跡は、日本の稲作文化の起源や発展を研究する上で重要な遺跡であり、弥生時代の人々の生活や技術を具体的に示す貴重な考古学的資料を提供しているのである。この遺跡を通じて、我々は約2000年前の日本の農耕社会の姿を垣間見ることができるのである。
公開日:2024.09.03