一乗谷朝倉氏遺跡
九頭竜川支流の足羽川に沿った一乗谷川の谷間に位置するのは、戦国時代の城下町や館跡、そして背後にそびえる山城からなる遺跡である。この地は、かつて戦国大名朝倉氏の拠点として知られている。一部の武家屋敷や城下町は木造で復元されているが、一乗谷城や朝倉館など他の建築物の復元計画は現在進行中ではない。この遺跡全体の面積は278ヘクタールに及び、その中には国の特別史跡に指定されているものもある。また、4つの日本庭園は一乗谷朝倉氏庭園として国の特別名勝に指定されている。
歴史・出来事
『朝倉始末記』によれば、1471年に朝倉敏景が黒丸館から本拠を一乗谷に移したとされるが、新たな資料によれば南北朝時代からすでに一乗谷を本拠としていた可能性がある。一乗谷は文明年間には京から多くの公家や文人が避難してきたことで発展し、北ノ京とも称された。戦国4代目の朝倉孝景の時代に全盛期を迎え、最盛期には1万人以上の人口を有し、越前の中心地として栄えた。 1499年には足利義稙が朝倉貞景を頼って一乗谷を訪れ、1567年には朝倉義景が足利義昭を迎えた。しかし、信長との戦いに敗れた義景は1573年に一乗谷を放棄し、大野に逃れた。その後、一乗谷は焼失し、信長の配下であった桂田長俊が統治し、富田長繁率いる国人らとの対立が勃発した。1575年には一向一揆が発生し、一乗谷は辺境となった。 その後、越前八郡を得た柴田勝家が本拠を北ノ庄に移したため、一乗谷は衰退した。しかし、1967年に発掘が開始され、遺跡が注目を集めるようになった。


年表
西暦 | 出来事 |
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1471年 | 朝倉敏景が黒丸館から本拠を移す |
1499年 | 足利義稙が朝倉貞景を頼り来訪する |
1567年 | 朝倉義景が足利義昭を安養寺に迎える |
1573年 | 朝倉義景が刀禰坂の戦いで敗北し、一乗谷を放棄する 織田信長の軍勢によって一乗谷が火を放たれる |
1575年 | 吉田郡志比庄で一揆勢が蜂起し、翌日には一乗谷に攻め入る(越前一向一揆) 一揆勢が一乗谷に攻め入り、朝倉氏旧臣の桂田長俊が討ち取られる |
1967年 | 一乗谷の発掘が開始される |
2006年 | 日本100名城に選定 |
探索の感想
山の中に位置する一乗谷朝倉氏館は、そのまま残る戦国時代の城下町に感動を覚えます。戦国大名、朝倉義景は「お館様」として称され、城に滞在せず館に居住していたことから、そう呼ばれたそうです。
公開日:2024.04.14