日本歴史改方

坐摩神社

摂津国一宮を称する。旧社格は官幣中社で、現在は神社本庁の別表神社。読み方は「いかすりじんじゃ」だが、地元では「ざまさん」と呼ばれいます。

現在は大阪市本町にあるビルに囲まれていますが、過去は大阪の船着場にあり、同地の守護神的存在でもありました。入口には珍しい大小の鳥居が横に組み重なる「三ツ鳥居」が迎えてくれる。

歴史

始まりは、神功皇后が三韓征伐より帰還した際、淀川河口に坐摩神を祀り花を献じたとされる。
平安時代後期に、源綱(渡辺綱)が渡辺津に住んで神社を掌り、渡辺を名字とし、渡辺氏を起こした。彼の子孫は渡辺党と呼ばれ、水軍として瀬戸内海で活躍し、日本全国に広がった。
安土桃山時代には、羽柴秀吉による大坂城築城の際、この神社は西横堀川に近い現在の場所に遷座された。本町通りにも近く、多くの物売りや見せ物が門前に集まった。特に古着屋は「坐摩の前の古手屋」として名高く、上方落語にも登場した。

年表

西暦出来事
939年祈雨11社の一つとして坐摩神社が雨乞いの祈祷を行う
1583年羽柴秀吉による大坂城築城に伴い、坐摩神社が現在地に遷座
1868年明治天皇大阪行幸の際に坐摩神社御親拝され、相撲を天覧された
1871年坐摩神社が府社に列する
1936年坐摩神社が官幣中社に昇格し、新社殿が造営される。しかし、大阪大空襲で社殿が焼失
1948年神社本庁の別表神社に加列
1960年社殿が鉄筋コンクリート造りで再建
2011年坐摩神社境内に「上方落語寄席発祥の地」の顕彰記念石碑が建立される

探索の感想

現在はビルに囲まれており、目立たない印象だが、かつては三ツ鳥居など珍しい鳥居があり、非常に大きな影響力を持っていたと推測される。また、渡辺氏の発祥の地であり、上方落語の発祥地でもあり、栄えた歴史が印象的である。

公開日:2024.04.01