日本歴史改方

竈門神社

福岡県太宰府市の宝満山に位置する神社。主祭神は玉依姫命で、縁結びの神様として広く知られている。創建は天武2年(673年)とされ、大宰府政庁の鬼門を守る重要な役割を果たしてきた。また、大陸へ渡る人々がこれから進む航海(道)の安全と事業の成功を祈願したことから「方除け」、「厄除」の神様としても崇められた。
社殿は山頂の上宮と麓の下宮に分かれており、式内社(名神大社)として古くから崇敬を集めてきた。奈良時代には既に神仏習合の形態をとり、平安時代には神階を授けられるなど、その地位を高めていく。

歴史

社伝によると、心蓮上人が山中で修行中に玉依姫命が現れ、これを朝廷に奏聞したことで山頂に上宮が建立されたとされている。

略年表

西暦出来事
673年天武天皇2年に創建されたとされる
803年竈門山寺(神宮寺)に関する最初の確実な記録
840年従五位上の神階が叙される
842年奉幣の記録が残る
927年『延喜式』神名帳に「竃門神社 名神大」と記載される
12世紀初頭八幡神(神功皇后・応神天皇)と結び付けられる
中世修験道の重要な道場となり、山伏による修行が盛んに
江戸時代博多の禅僧・仙厓和尚が「仙竈」の文字を大書
明治時代中宮が廃絶し、現在の上宮と下宮の2社体制となる

公開日:2024.09.02