香取神宮
千葉県香取市香取にある神社。式内社(名神大社)、下総国一宮。関東地方を中心として全国にある香取神社の総本社。
千葉県北東部に位置する「亀甲山」と呼ばれる丘陵に鎮座する神社は、経津主神(フツヌシ)を祭神としており、日本神話で大国主の国譲りの際に活躍したことで知られています。古くは朝廷や藤原氏からの崇敬を受け、武家政権からも武神として崇められてきました。今でも武道の分野から多くの信仰を集めています。また、海獣葡萄鏡などの文化財が国宝や重要文化財として指定されており、古代からの多くの遺産を伝えています。


歴史・出来事
社伝によれば、香取神宮は初代神武天皇18年に創建されたとされています。古代の『常陸国風土記』にはすでに「香取神子之社」として記載されており、それ以前から鎮座していたとされています。
古代には香取神宮が大和朝廷の東国支配の拠点として機能していたと考えられており、朝廷が両社を祀ったのが創建の時期だという説もあります。一方で、それ以前から祭祀が存在したとする説もあります。
年表
西暦 | 出来事 |
---|---|
8世紀初頭 | 『常陸国風土記』にすでに「香取神子之社」として分祠の記載が見え、それ以前の鎮座は確実とされる |
768年 | 藤原氏の氏神として春日社(現・春日大社)が創建され、武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売神が勧請される |
777年 | 藤原良継の病の際に香取社が「氏神」として正四位上の神階に叙せられる |
836年 | 正二位に昇叙 |
839年 | 従一位に昇叙 |
882年 | 正一位勲一等に昇叙 |
927年 | 『延喜式』神名帳に香取神宮として記載され、式内社(名神大社)に列し、月次祭・新嘗祭に関与 |
1591年 | 徳川家康により香取社に1,000石が朱印地として与えられる |
1607年 | 大造営が行われる |
1700年 | 再度造営が行われ、現在の本殿・楼門・旧拝殿が建設される |
1871年 | 近代社格制度において官幣大社に列せられる |
1942年 | 勅祭社に定められる |
探索の感想
古から鎮座する神社、通年多くの観光客が参拝する千葉県を代表する神社。ヤマト王権の時代から下総国を見つめてきた考えると歴史の浪漫を感じる。鹿島・香取両神宮は深いつながりがあると言われている。
公開日:2024.04.24