東京都台東区東上野三丁目にある神社。大年神と日本武尊を祭っている。古くは下谷稲荷社、下谷稲荷明神社と呼ばれた都内最古の稲荷神社。東京メトロ銀座線の稲荷町駅に名を残す旧町名の稲荷町は、この神社の旧称が由来の町名である。

社殿の天井画は横山大観の作。また、1798年に初代・三笑亭可楽によって当社境内で初めて寄席が開かれた。このため、本神社には「寄席発祥の地」の石碑がある。

歴史

当初は現在の上野公園にあたる地に鎮座していた。730年（天平2年）、峡田の稲置らが建立したとも、行基が伏見稲荷大社を勧請したとも伝えられる。

年表

西暦	出来事
939年	平将門による天慶の乱追討祈願のため、藤原秀郷が社殿を新造。
1627年	境内が寛永寺山内となり、別当寺正法院と共に下谷屏風坂下に移転。
1680年	下谷広徳寺前の谷中天眼寺先住少林庵抱地525坪余と土地を交換。
1703年	旧地も正法院抱地になる。
1868年	神仏分離令により正法院を分離。
1869年	周囲の町名が当社に因み下谷稲荷町となる。
1872年	下谷神社と改称、翌年下谷地域の郷社と定められる。
1923年	関東大震災で社殿を焼失。
1928年	現在地に移転。
1934年	現在の社殿が完成。