和歌山城
和歌山市のシンボル。標高48.9mの虎伏山山頂に建てられ、北に流れる紀の川を天然の堀とする。梯郭式平山城で、本丸の北側に二の丸、その外に三の丸がある。徳川御三家の一つ紀州藩紀州徳川家の居城である。国の史跡に指定されている。
歴史・沿革
和歌山城は1585年に豊臣秀吉が弟の豊臣秀長に築城させた。1600年の関ヶ原の戦い後、浅野幸長が城主となり、天守や屋敷を造った。その後、1619年に徳川頼宣が城主となり、城を大改築して紀州徳川家が成立。紀州徳川家は約250年間、和歌山城を居城とした。

1846年に天守が雷で焼失し、1850年に再建されるが、これは幕府の特例だった。明治時代に廃城となり、1901年に公園として一般開放、1931年に国の史跡に指定されるも、1945年の和歌山大空襲で焼失。1958年に市民の要望で天守閣が再建された。



年表
西暦 | 出来事 |
---|---|
1585年 | 秀吉の命で虎伏山に築城開始 |
1586年 | 秀長の城代桑山重晴在城する |
1596年 | 桑山一晴城主となる |
1600年 | 関ケ原の戦いの功により浅野幸長37万6千石を領して入城 |
1603年~1613年 | 幸長が没したので舎弟長晟が城主となる |
1619年 | 徳川家康の第10男頼宣駿府から紀州勢州を加え55万石5千石を領して入城(初代) |
1621年 | 江戸幕府より銀2000貫を賜り、城の改修に着手 |
1629年 | 南の丸櫓台、吹上口石垣を普請 |
1655年 | 家臣屋敷からの出火で二の丸。西の丸などが焼失 |
1798年 | 天守閣を黒板張りから白壁に改める |
1846年 | 天守閣が落雷で焼失 |
1850年 | 天守閣が再建される |
1867年 | 紀州藩改革に際し奧祐筆の田中善蔵追廻門付近で殺される |
1868年~1869年 | 藩政ならびに兵制の大改革を行い全国に率先して徴兵制に取り組む |
1871年 | 廃藩置県によって和歌山藩を和歌山県と改称 内郭部分は兵部省の所轄となる |
1873年 | 北島和歌山県令から和歌山城天守閣を2月17日から3月21日までの間県区民に縦覧させる |
1889年 | 和歌山中学校が岡山から西の丸に新築移転 |
1898年 | 和歌山兵隊司令部が雑賀屋町東の丁から二の丸に移転 |
1901年 | 和歌山城内郭を和歌山公園として公開 二の丸に和歌山県物産陳列場が建設される |
1908年 | 二の丸に県立図書館建設される |
1909年 | 大手門倒壊 |
1912年 | 和歌山公園は内務省から市立公園とするため和歌山市に払い下げを許可された |
1912年~1915年 | 和歌山公園改良5ヶ年計画に着手 西の丸和歌山中学校舎を仮庁舎として七番丁から市役所が移転 |
1923年 | 本丸御殿跡に上水給水場設置 本丸御殿跡の「七福の庭」は松の丸に石組みを移す |
1924年 | 南堀埋立始まる |
1926年~1931年 | 和歌山城が文部省から史蹟に指定される |
1934年 | 西堀一部吹上橋跡を埋立て消防署を設置する |
1935年 | 和歌山城天守閣が国宝に指定される |
1937年 | 砂の丸に招魂社(護国神社)創建 |
1945年 | 戦災により天守閣が焼失 |
1957年 | 岡口門が重要文化財に指定される |
1958年 | 天守閣が鉄筋コンクリートで再建される |
1960年 | 岡口門を解体修復する |
1963年 | 二の丸に県立美術館開館 |
1968年 | 動物園改造工事に着手 |
1969年 | 二の丸広場整備工事に着手 |
1970年 | 童話園・水禽園を開園 |
1973年 | 西之丸庭園復元整備工事完了 |
1974年 | 西之丸庭園内に松下幸之助氏が茶室を寄付 |
1982年 | 大手門が再建される |
1985年 | 西之丸庭園(紅葉渓庭園)が名勝に指定される |
1989年~1993年 | 史跡和歌山城保存管理計画策定 |
1995年 | 史跡和歌山城整備計画策定 |
2006年 | 御橋廊下が復元される |
2019年 | 和歌山公園の名称が和歌山城公園に変更される |
公開日:2024.06.21