活鯛御用 神奈川沖浪裏の押送舟
北斎の浮世絵「神奈川沖浪裏」は、壮大なビックウェーブに翻弄される押送舟が描かれ、その背景には富士山がそびえます。
江戸時代には木更津船という定期航路があり、木更津浦には幕府に届けられる鮮魚を運ぶ押送舟が多数存在していました。北斎はこの舟から神奈川沖での光景を目にし、浮世絵に描いたと考えられています。
この浮世絵は、大きな仕事を終えた押送舟が荒波を越えて家族の待つ木更津へと戻る様子を描いており、新1,000円札の裏側に採用されることになりました。この選択は、日本人の勤勉さを象徴し、令和の時代に相応しいものとされています。